フランスがドイツほどシリア難民を受け入れられない理由

公開日: : フランスの事情

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ヨーロッパにやってくるシリアからの難民。彼らはドイツを目指しているのですが、フランスにはなぜこないのでしょうか。もともとシリアはフランスの植民地だったのに。

また、フランスも難民の受け入れは表明していますが、ドイツほどの人数は受け入れず、24000人になる見通しです。なぜ、フランスでは難民を受け入れられないのでしょうか。

これには、経済的、歴史的な理由があるのです。
France won’t open arms to refugees like Germany

先週末、ドイツのミュンヘンには大量の難民が到着して混乱しましたが、イタリアとフランスの国境は通常どおりでした。ドイツは難民受け入れを表明していますが、フランスは難民がきても基本的にはイタリアへ追い返しています。

必要書類がなければ、現行のルールでは、難民はフランスに入国できません。

月曜日に、ドイツは、難民のために追加で60億ユーロの予算を計上して住居を建設し、そこではドイツ語の教育を受けることができたり、警察を増員するという計画を発表しました。

フランスでも、難民向けのキャンプを建設する予定ですが、それはEUの資金が充当され、フランスの国家予算は使用されません。

ドイツではメルケル首相が、ドイツは難民を受け入れられると述べましたが、フランスのオランド大統領はそのようなことは言えないでしょう。野党の保守派から非難されるからです。

ドイツとフランス、両大国では、難民についての世論も大きく違います。ドイツでは基本的に難民受け入れには賛成しているという人が多いのに対して、フランス国民は、ドイツの難民受け入れ政策に反対している人が多いです。

ドイツの行政は、難民を安全に保護できるかどうかについて懸念しているのに対し、フランスの行政は、キリスト教徒しか難民は受け入れたくない。難民のなかにイスラム系のテロリストが紛れ込むことを懸念しているという立場です。

オランド大統領は、ドイツだけに難民の負担を負わすことはできないとは表明していますが、フランスに受け入れる難民の人数はドイツなみに増やせないという立場です。

それにはいくつかの理由があります。

1.ドイツとフランスの経済力の差

ドイツは経済が絶好調で、労働力需要も強いです。一方でフランスはドイツの失業率の2倍であり、一向に失業率が下がる様子がありません。ドイツは財政収支が均衡し財政に余裕がありますが、フランスは財政赤字で、財政収支を均衡させることが課題となっています。

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難民が増えると生活保護はじめ財政負担が増える要因となりますが、ドイツは余裕があるのに対しフランスには経済的な余裕がないのです。

2.人口動態の違い

ドイツは少子高齢化がすすみ、若い労働力を必要しています。彼らに働いてもらって、高齢者の年金を払ってもらわなければなりません。

一方フランスはドイツよりは出生率が高く、人口構成も若いのです。そして若年層ほど、失業にあえいでおり、失業率は25%にもなります。新しく難民にこられて労働力になられては、もともと高かった若年層の失業率がさらにあがってしまうでしょう。

3.歴史的な要因

ドイツには外国人を排斥したという暗い歴史があります。ナチスのユダヤ人迫害と国家主義という歴史です。その反省に基づき、外国人の受け入れに寛容なところがあります。一方で、フランスにはそのような歴史がありません。

また、ドイツはヨーロッパの東側諸国や東ドイツと合併したときに上手に取り込んで労働力化したという経験があります。フランスにもベトナム戦争やアフガニスタン戦争難民の受け入れをやってきたのですが、最近はそれほど受け入れを行っておりません。

4.イスラム教の要因

フランスはヨーロッパ最大のイスラム教徒コミュニティとなっており、今年は大きなテロもありました。ドイツはドレスデンで反イスラムデモは起こっているものの、イスラム教徒によるテロはまだ起こっておりません。

そのため、フランスではイスラム教への脅威を感じている人が多いと考えられています。

5.フランスの保守派の台頭

ドイツのメルケル首相の磐石な政治基盤とちがい、フランスではオランド大統領の支持率はさがっており、代わりに上昇しているのは、保守系最右派のルペン党首の支持率です。

彼女は、難民は受け入れるべきではないと主張しており、それが支持されている理由となっていると見られます。オランド大統領もそのことは無視できないでしょう。

難民問題では、このようにEUでもそれぞれ事情が大きく異なります。ドイツのような余裕がないというのが最も大きいところでしょうか。

そもそも、中東やアフリカの難民問題はドイツよりもフランスに原因があると認識しています。無責任なものです。

しかし、オーストラリアや南米諸国でもシリアの難民を受け入れるという国が続々と出てきています。ドイツと同じように高齢化がすすむ日本に、国際貢献を求められて、難民受け入れを要求されたりしないでしょうか?

もはや対岸の火事とも言い切れなくなってきたように思います。日本の政治家には全力で反対してもらいたいところです。

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